武蔵野まりん動物病院ブログ blog

【子猫の下痢】トリコモナス症 〜症状・診断・治療法について〜

【子猫の下痢】トリコモナス症
〜症状・診断・治療法について〜

1.はじめに

武蔵野市・三鷹市・小金井市・調布市・西東京市地域の皆様、こんにちは。犬・猫をはじめ、ウサギ・デグー・インコなどの様々なエキゾチックアニマルを診察する「武蔵野まりん動物病院」です。

元気や食欲はあるのにお腹が緩い、お迎えした子猫の下痢が治らない、そんな時はトリコモナス症の可能性があります。

トリコモナス症は特に一歳以下の若い猫に多く見られる感染症です。糞便検査を行い駆虫薬を使用することで症状が落ち着くことがほとんどですが体力が完全に備わっていない子猫の体調不良は早期対応が大切です。

本記事では猫のトリコモナス症の症状や治療法について獣医師の視点から分かりやすく解説します。

2.トリコモナス症とは

トリコモナスは鞭毛虫(べんもうちゅう)と呼ばれる寄生虫の仲間です。猫のトリコモナスは腸管に寄生するTrichomonas foetus が原因となります。大きさは10-25μmで肉眼で直接観察することはできません。

感染経路は経口感染で、感染動物の便に含まれるトリコモナスが他の猫の口から入ることで感染が成立します。多くの子猫が生活するようなペットショップ、保護施設などで感染しやすくトイレや食器の共有、子猫同士のじゃれあいがきっかけとなります。

元気や食欲はあるのに下痢がなかなか治りにくいという症状が続く時はトリコモナス症の可能性が考えられます。

3.診断と治療

<診断>

糞便検査を行い、顕微鏡上でトリコモナスが観察されると確定診断となります。排泄してからすぐの便ではトリコモナスがクルクルと動いている様子が観察できます。
トリコモナスの数が少ない場合、排泄してから時間が経った便の場合は検出率が低くなります。

顕微鏡上で寄生虫が見当たらない場合でも一般的な治療で下痢が治りにくい時はトリコモナスを含む他の感染症の可能性を疑いPCR検査で精査する場合があります。

<治療>

治療薬としては主にメトロニダゾールという抗原虫薬が用いられます。

メトロニダゾールは苦味があり投薬時に嫌がってしまう子も少なくありません。食欲がある場合はおやつに混ぜたり細かくしてウェットフードに混ぜるなどの工夫で食べさせやすくなります。

感染した猫の多くは一時的な感染で終了しますが体力が十分に備わっていない子猫では重度で持続的な下痢により重症化する場合があるので注意が必要です。また、一部の猫は症状が落ち着いても完全には駆虫しきれず他の猫にうつしてしまうキャリアとなる可能性もあります。

4.まとめ

トリコモナス症は駆虫薬を使うことにより症状が改善するケースが多いですがなかなか駆虫しきれない子もいます。稀に人にも感染し一過性の下痢を起こす場合があるので注意が必要です。感染した猫のいるご家庭では猫のトイレを清潔に保つ、触れ合った後は手を洗うなどで気をつけるようにしましょう。

また、時間が経った便ではトリコモナスを発見しにくいので動物病院に糞便検査をする際は排泄されてからあまり時間の経っていない便を持っていっていただければと思います。

下痢に関わらず子猫の体調不良は早期対応が大切です。当院ではお迎えしてすぐの子猫の健康診断として身体検査や糞便検査を推奨しています。体調面で気になることがある際はお気軽にご相談ください。

武蔵野まりん動物病院 動物たちと飼い主様が気軽に立ち寄れる、あたたかく居心地のよい地域のかかりつけ動物病院”を目指しています。犬や猫はもちろん、ウサギ・フェレット・ハムスターなどのエキゾチックアニマルにも対応し、一頭一頭のペットに寄り添いながら、飼い主様とご相談のうえ、適した治療とケアをご提案いたします。
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