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<症例紹介>胃内異物を胃切開で摘出した一例【猫】

<症例紹介>胃内異物を胃切開で摘出した一例【猫】

今回は異物を飲み込んでしまい胃切開で摘出した猫の症例をご紹介します。

※この記事では手術中の写真を掲載しています。苦手な方はお控えください。

基礎情報

雑種猫、1歳、避妊済みの女の子

症状

夜中から何回も吐いている。

夕方になり嘔吐は落ち着いたが大好きなちゅーるを食べず隅っこに隠れているとのことでご来院されました。

検査

身体検査:腹部の触診で胃の部分に通常ではみられない、固いものが触れました。

レントゲン検査・エコー検査:レントゲン検査では胃の中にヒモ状の何かがたくさん入っているような像が見られました。エコー検査では胃の中にものが溜まっている所見が得られました。
血液検査:異常はありませんでした。

 

対応

症状や検査結果から異物を誤食した可能性が高く緊急で対応が必要であると判断しました。

レントゲン検査やエコー検査からは異物の全体像を把握することが難しく異物が胃の中に留まっているのか、腸の方に一部流れているのかの判断も難しかったので内視鏡での摘出、もしくは胃切開、腸切開での摘出の可能性を考慮し手術を実施しました。

まず初めに内視鏡で観察したところ胃の中に黒いヒモ状のものがたくさん見られやはり異物が原因であったことがわかりました。しかしそのヒモの量が多く、太いことから内視鏡で摘出できず開腹手術に切り替えました。

 

幸い、異物は胃の中に留まっていたため胃の一部を切開し摘出しました。

 

黒い髪ゴムのようなものが何本かとビニールのようなものも一緒に出てきました。

状態は安定していたので手術から5日後に退院となりました。

誤食をする犬や猫は若い子が多く、特に猫はヒモ状のものを遊んでいるうちに飲み込んでしまうケースが多く、今回はこの両方に当てはまっており飼い主様が異変に気付き、病院に連れてきてくださったので無事に対応できた症例でした。

最後に

異物を誤食してしまった際には催吐処置、内視鏡による摘出、消化管切開による摘出など対応は様々です。今回の子のように内視鏡では対応しきれない際には開腹手術が必要となります。

誤食をしてしまう子は何度も繰り返すことが多くお家で飼い主様に気をつけていただくことが一番の予防になります。

動物さんと一緒に暮らしている方は今一度誤食の危険性が無いかを確かめてみてください。

また、誤食をしてしまったかもと思ったらすぐに動物病院に相談してください。

当院は内視鏡での処置も行っております。こちらのブログも併せてご参照ください。

【内視鏡】動物病院での内視鏡検査ってなに?〜誤食・嘔吐・慢性下痢の原因を探る検査〜


【異物】犬や猫の誤食にご注意を!身近な危険と対策まとめ

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