猫の慢性腎臓病のサインとは? 見逃さないために知っておきたいポイント
見逃さないために知っておきたいポイント
1.はじめに
慢性腎臓病は猫によく見られる病気の一つです。腎臓は、体の老廃物を尿として排出したり、体内の水分・電解質のバランスを整えるとても大切な臓器ですが、一度慢性腎臓病を発症すると元には戻りません。さらにゆっくり時間をかけて腎臓の働きが低下していくため、初期ではほとんど症状が出ず、気づいたときには進行していることも珍しくありません。特に高齢になるほど発症リスクがぐっと高くなります。
慢性腎臓病は完治を目指す病気ではなく進行をなるべく遅らせるために付き合っていく必要がある病気です。
だからこそ「早く気づくこと」=「進行を遅らせる最大のポイント」 になります。
今回は、飼い主さんが気づける “サイン” を中心にまとめました。お家の子に当てはまっていないか1つずつチェックしてみてください。
2.よく見られる症状
これは腎臓病の初期によく見られるサインです。腎臓の機能が低下してくると尿を濃縮する力が落ちることでおしっこの量が増えます。薄い色のおしっこをたくさんすることが特徴です。
お家でみられる症状
・おしっこの一回量が多い
・いつもよりトイレに行く回数が多い
これも腎臓病の初期によく見られるサインです。上記のようにおしっこをたくさんするため身体が脱水しないように自然と水をたくさん飲むようになります。
お家でみられる症状
・食器の水が減るペースが早くなった
・水を飲みに行く回数が増えた
食欲があって元気に見えても、少しずつ体重が落ちてくることがあります。
腎臓の働きが低下すると、代謝に影響が出て筋肉量が減りやすくなるためです。
お家でみられる症状
・抱っこしたときに軽くなったと感じる
・背骨や腰の骨が触りやすくなった
腎臓の機能が低下することで体内に老廃物が蓄積しやすくなったり栄養が不足することで毛がボサボサしたりフケが増えたりします。
お家でみられる症状
・毛ヅヤが悪くなる
・フケが増える
腎臓の機能が低下し、体内に老廃物が蓄積することで嘔吐を繰り返すことがあります。
お家でみられる症状
・昔より吐く回数が増えた
・毛玉以外も吐く
初期では「全く食べない」まで行かず、食べたり食べなかったりのムラとして現れることがあります。
お家でみられる症状
・好物しか食べなくなる
・食べ始めるのが遅くなった
初期の段階では非常に些細な変化です。高齢になって体力が落ちたからかな、性格が落ち着いてきたのかなと感じることもあるかもしれません。
お家でみられる症状
・寝ている時間が増えた
・遊びへの反応が弱い

3.まとめ
慢性腎臓病は早期発見がとても重要です。一度発症すると元には戻りませんが早期に見つけて適切に管理をすれば、進行をゆっくりにできる可能性がある病気だからです。
また、本当の初期には症状はほとんど出ず、やや進行しても症状が出にくい猫もいるためお家でのチェックに加え定期的な健康診断もオススメします。特に血液検査や尿検査は早期に腎臓病を捉える大事な検査です。特に1年以内に血液検査等を実施していない子はご検討ください。
当院ではいつでも猫の健康診断を受け付けています。お気軽にご相談ください。
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