武蔵野まりん動物病院ブログ blog

【愛犬の健康を守るために】 犬のワクチン接種、本当に必要?種類・スケジュール・注意点を解説

【愛犬の健康を守るために】犬のワクチン接種、本当に必要?種類・スケジュール・注意点を解説

 目次

-はじめに

-1. ワクチンはなぜ毎年必要なの?

-2. 犬のワクチンの種類と違い

-3.ワクチン接種のスケジュール

-4. 接種前後の注意点と副反応について

-まとめ

はじめに

「うちの子は室内飼いだからもう打たなくていい?」

「昔は毎年打ってたけど、最近打ってないな…」

このように、ワクチン接種を続けるべきか迷う飼い主さんは少なくありません。

しかし、感染症の多くは室内飼育でも完全には防ぎきれず、ワクチンはわんちゃんの命を守るためにとても大切な予防策です。

今回は、犬を飼っているすべての飼い主さんに向けて、今一度見直していただきたいワクチンの重要性についてご紹介します。

  • 1.ワクチンはなぜ毎年必要なの?

ワクチンは、ウイルスや細菌への免疫をつけ発症や重症化を予防するために接種をします。ただし、一度打てば一生安心というわけではなく、時間の経過とともにワクチンによる感染症の予防効果は低下していくため定期的な追加接種が必要です。

また、感染症は環境中に存在し、室内飼いの犬でも完全にリスクゼロとは言えません。

・飼い主さんの服や靴にウイルスが付着して持ち込まれる

・トリミングや動物病院などで他の犬と接触

・通院・ペットホテル・災害などによる環境の変化

「うちは外に出ないから大丈夫」という考えでは、防ぎきれないケースもあります。

  • 2.犬のワクチンの種類と違い

犬のワクチンには主に次の2種類があります。

  • <混合ワクチン(任意接種)>

5種・6種・7種などがあり、命に関わる感染症を防ぐ目的で接種されます。当院では5種と7種のワクチンを扱っています。

予防できる感染症には以下が含まれます。

5種ワクチン

犬ジステンパー(呼吸器症状、発熱、元気食欲低下)

犬パルボウイルス感染症(血便、発熱、元気食欲低下)

犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)(発熱、元気食欲低下、嘔吐下痢)

犬伝染性喉頭気管炎(アデノウイルス2型)(呼吸器症状)

犬パラインフルエンザ(呼吸器症状)

7種ワクチン

5種のワクチンに加えてレプトスピラ感染症(腎機能・肝機能の低下、嘔吐下痢)の2つの型に対するワクチンが含まれています。

この中でも犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、アデノウイルス感染症のワクチンはコアワクチンといわれ世界的に重要な感染症に対するワクチンであり基本的に全ての犬への接種が推奨されています。

レプトスピラ症は人にも感染する可能性のある人獣共通感染症です。ネズミなどの野生動物の排泄物を介して感染するため山や川などに一緒に遊びに行く子はレプトスピラのワクチンもお勧めします。

  • <狂犬病ワクチン(法定義務)>

日本では年に1回の接種が法律で義務づけられており、接種証明の提出が必要です。厚生労働省により毎年4-6月は狂犬病予防注射月間と定められています。

狂犬病を発症すると性格の変化や異常行動を呈し光や音などの刺激に対して敏感になるなど特徴的な症状を示します。

犬が発症した場合は致死率100%。人にも感染する恐ろしい病気です。

3.ワクチン接種のスケジュール

子犬の場合

  • 〇混合ワクチン

生後6〜8週齢:初回接種

その後3〜4週間ごとに追加接種(合計2〜3回)

最終接種は生後16週以降が望ましいとされています。

  • 〇狂犬病

混合ワクチンの2回目と3回目の間、もしくは3回目接種後に打ちます。

成犬(1歳以上)の場合

〇混合ワクチン:年1回

〇狂犬病:年1回 (4-6月がオススメ)

ただし、わんちゃんによっては混合ワクチンの効果が2〜3年持続する場合もあり、抗体価検査(ワクチンの効果が持続しているかを調べる血液検査)で接種間隔を見直すことも可能です。

また、高齢な子や慢性疾患がある子は接種のリスクとメリットを獣医師と相談して接種を判断しましょう。

  • 4.接種前後の注意点と副反応について

接種前に体調チェック

・いつも通り元気で食欲があるか

・下痢・嘔吐・熱っぽさなどがないか

  → これらがある場合は、無理に接種せず延期するのが安全です。

接種後の過ごし方

・当日は安静に過ごし、激しい遊びは控える

・半日~1日は様子をよく観察(特に顔の腫れや呼吸の変化に注意)

・食欲や排泄に大きな変化がないか確認

ワクチン接種による副反応として、一時的な元気消失や発熱、注射部位の腫れが出ることもあります。

これらは1〜2日で落ち着くことが多いですが、まれにアレルギー反応(顔が腫れる、ぐったりする、呼吸困難)が出ることもあります。

気になる症状が出た場合はすぐ動物病院へ連絡してください。

ワクチン接種は午前中がオススメ

上記のような接種後の体調チェックのために、また、体調不良が現れた場合にすぐに動物病院で対応できるようにワクチン接種は午前中が理想です。

まとめ

ワクチンは、わんちゃんの体に備わった「病気に立ち向かう力」を強くする大切な手段です。

年齢や健康状態に応じて無理なく、必要なワクチンを継続していくことが健康寿命を延ばす第一歩になります。

当院では、わんちゃん一頭一頭に合わせたワクチンプランのご提案や抗体価検査の実施も可能です。

気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

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