【子犬の下痢】コクシジウム症〜症状・診断・治療について〜
〜症状・診断・治療について〜
1.はじめに
武蔵野市・三鷹市・小金井市・調布市・西東京市地域の皆様、こんにちは。犬・猫をはじめ、ウサギ・デグー・インコなどの様々なエキゾチックアニマルを診察する「武蔵野まりん動物病院」です。
子犬でみられる寄生虫感染症の一つにコクシジウム症があります。健康診断での糞便検査で偶然見つかることもあれば下痢などの消化器症状がみられる場合もあります。駆虫薬を使用し、対症療法を行うことで症状が落ち着くことがほとんどですが子犬の体調不良は早期対応が大切です。
今回の記事では子犬のコクシジウム症の症状・診断・治療に関して獣医師が分かりやすく解説します。
2.コクシジウム症とは
コクシジウム症とは腸管に寄生する原虫であるコクシジウムによって引き起こされる感染症です。下痢や食欲不振、体重減少などの消化器症状を引き起こすことがあります。
犬にはCoccidium canis ,Coccidium ohioensisというコクシジウムが感染します。とても小さな寄生虫なので肉眼で観察することはできません。
感染経路は主に経口感染であり、感染した動物の糞便中に感染力を持った状態で原虫が排出されます。それを他の動物が摂取することで感染が成立します。さらに環境中のコクシジウムを摂取したマウスを捕食することで感染する場合もありますがペットとして飼われている犬においては稀なケースです。ペットショップやブリーダーなどのたくさんの犬が一緒に過ごす環境では感染リスクが高くなります。
症状としては体重減少、下痢、粘液便、血便、嘔吐などがみられることがあります。免疫が十分に備わっていない子犬に多くみられますが症状を示さない不顕性感染も多く存在します。大人の犬が感染した場合も多くは不顕性感染となります。
犬のコクシジウムは犬のみに感染するため他の種の動物や人への感染リスクはありません。
3.診断と治療
<診断>
糞便検査を行い、顕微鏡上でコクシジウムが観察されると確定診断になります。顕微鏡検査で寄生虫を検出するための検査は2種類あります。1つは直接塗抹法で主に細菌のバランスを確認する方法で大きめの寄生虫や虫卵はこちらで観察されます。2つ目は浮遊集卵法で主に寄生虫の虫卵を観察する方法でコクシジウムはこの浮遊集卵法で分かりやすく観察することができます。
また、似たような症状を示す寄生虫感染が無いかも同時に確認します。
<治療>
トルトラズリル(プロコックス)という駆虫薬を使用します。1回の投与で有効とされていますが数回の投与が必要な場合もあります。
コクシジウム感染により腸内細菌が乱れると考えられるため整腸剤を使用したり、消化の良いご飯を少量頻回に与える場合もあります。重度の下痢や嘔吐により脱水状態となった場合には点滴を行うこともあります。
4.まとめ
お迎えした子犬が下痢をしている場合、コクシジウムなどの寄生虫に感染している可能性が考えられます。また、不顕性感染の場合は症状を示さないため気付かないうちに感染を広げてしまうこともあります。
当院では健康診断としてお迎えした子犬のうんち検査を推奨しています。下痢に関わらず子犬の体調不良は早期発見、早期対応が必要です。
気になることがある際はお気軽にご相談ください。