【獣医師が解説】犬の中毒物質【植物・家庭用品編】
1.はじめに
武蔵野市・三鷹市・小金井市・調布市・西東京市地域の皆様、こんにちは。
犬・猫をはじめ、ウサギ・デグー・インコなどの様々なエキゾチックアニマルを診察する「武蔵野まりん動物病院」です。
犬は好奇心が強く、落ちているものや見慣れないものを口に入れてしまうことがあり、「愛犬の誤食」に頭を悩ませる飼い主さんは多いと思います。
人の食べ物の中には犬にとっては中毒となる食べ物がいくつか存在しますが原因となる物質は、特別な薬品だけでなく、食べ物や生活用品など日常の中に隠れているものも存在します。
人では問題にならない成分でも、犬では
・分解・排泄できない
・解毒に時間がかかる
・少量でも過剰になる
といった理由で中毒を起こします。人と比べて体が小さいため、少量でも中毒量に達しやすいという特徴もあります。
中毒を起こした際、幸いすぐに治ることもあれば少量でも命に関わる場合もあります。
この記事では、犬の中毒物質や症状について獣医師の視点から分かりやすく解説します。
2.犬に多い中毒物質【植物・家庭用品編】
動物にとって有害であると考えられている植物は200種類ほど存在すると言われています。例えばアサガオ、チューリップ、ポインセチア、スズラン、オシロイバナなどはお散歩コースで見かけたりお庭で育てている方もいらっしゃるかもしれませんが犬にとっては毒性がある植物たちです。嘔吐下痢などの消化器症状や神経症状を呈するものなどがあります。
銀杏に含まれるギンコトキシンと呼ばれる成分は神経毒の一種です。人間にとっても食べ過ぎるのは危険ですが犬にも同じことが言えます。嘔吐下痢などの消化器症状のほか、痙攣やふらつきなどの神経症状が現れることもあります。
人の解熱鎮痛剤の多くに含まれるアセトアミノフェンですが犬は解毒できずに赤血球が破壊され、中毒になる可能性があります。症状は摂取1-4時間後から現れ、よだれ、顔面の浮腫み、嘔吐、貧血などがみられます。
殺虫剤、殺菌剤、除草薬などで広く使われている薬剤でゴキブリ駆虫薬の誤食などによる中毒が報告されています。症状は元気食欲の低下、嘔吐下痢などの軽度なものから痙攣や呼吸困難など重度なものまでみられることがあります。
タバコに含まれるニコチンが中毒の成分であり、摂取後すみやかに症状が発現します。嘔吐下痢やよだれ、興奮状態を引き起こし重度の場合は痙攣などの神経症状が現れます。タバコは水に溶けると吸収が早くなるので食べてしまった場合はお水を飲ませずにすぐ動物病院に連絡をしてください。
3.中毒が疑われるときの対応
摂取した食品の成状にもよりますが摂取から1時間以内、もしくは2-3時間以内であれば催吐処置が有効な場合があります。
原因物質に対する拮抗薬があることは少なく、中毒症状が出た場合には症状に対する対症療法が主体となります。症状によっては数日間の通院や入院下での管理が必要になります。
中毒症状が出ていない場合でも摂取した量によっては血液検査を行い体に影響が出ていないかをモニタリングします。
また、生体から有害物質を取り除く作用のある活性炭などの吸着剤を投与することもあります。
4.まとめ
犬は好奇心が強く身の回りの食べ物やおもちゃに興味を示し、食べてしまうことがあります。中毒物質に対しては早期対応が何より重要です。上記以外の食べ物でも大量に摂取すると体に悪影響となる場合もあります。何か食べてしまったかも、と思った時はできるだけ早く動物病院に連絡、受診をしてください。当院でも対応可能です。カルテがある子に限り夜10時までの対応も行っているので緊急の際は一度ご連絡ください。
また日頃からお散歩中の拾い食いには気をつける、ゴミ箱などは犬の手に届かない場所に置く、などの工夫も予防の一環となります。
誤食に関するブログはこちらにも載せています。ご参考になれば幸いです。
→【獣医師が解説】犬の中毒物質【食べ物編】
→【内視鏡】動物病院での内視鏡検査ってなに? 〜誤食・嘔吐・慢性下痢の原因を探る検査〜