エキゾチック動物 EXOTIC ANIMALS
近年ではエキゾチック動物を家族に迎え入れる方も増えてきました。エキゾチックアニマルは直訳すると“風変わりな動物”ですが、簡単に言うと犬猫以外のペットのことを指します。例えばウサギやフェレット、ハムスター、チンチラやカメやカエル、セキセイインコや文鳥などの幅広い動物がこれに分類されます。
当院では、エキゾチック動物の診療にも力を入れています。飼い主様がまずは生態をよく理解し、飼育環境や運動などに気を配ることが、病気の予防につながります。
院長は犬や猫と同様のクオリティの医療をできる限り提供できるよう多くの専門的な経験を積んでいますので、いつもと様子が違うと感じた時は、早めにご来院ください。
特殊な動物に関しては事前にご連絡ください。
ウサギ
ウサギは、見た目の愛らしさ、人懐っこさ、トイレのしつけができるなどの点で比較的飼育しやすく人気の高いエキゾチック動物といえます。体調不良を隠す性質があるため、飼い主様がよく観察してあげることが大切です。

よくある病気と治療法
歯の伸びすぎ、不正咬合 | ウサギの歯は自然と伸びていくものです。ペレットや葉野菜ばかり与えていると歯が削れずに伸び、噛み合わせが悪くなってしまいます。食欲が落ちた、よだれが増えたという場合には、歯のトラブルかもしれません。歯を削る処置もできますが、日頃からの食事を見直すことが重症です。 |
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結膜炎 | 細菌やウイルスの感染、異物が目に入ったなどの理由で結膜炎を生じます。また、不正咬合が根本の原因となっているケースもあります。目が赤い、涙が出ている、目やにが多いなどの症状が多いです。点眼薬での治療が基本となります。 |
胃腸うっ滞 (ウサギ消化器症候群:RGIS) | ガスの貯留、胃腸炎、お腹の炎症、膵炎など様々な原因によって、胃腸の動きが悪くなった状態です。食欲がない、食欲はあるけど便が出ていない、うずくまって動かないなど、異変を感じたらすぐに受診しましょう。急変することがあります。 |
フェレット
感情豊かで人懐っこく、飼育する方が増えているエキゾチック動物です。病気になりやすいという一面もあるため、しっかりとケアをしてあげる必要があります。多頭飼育やお外へ連れ出す予定のある場合は、犬用の混合ワクチン接種も推奨しています。

よくある病気と治療法
異物誤飲 | 好奇心が非常に旺盛なので、プラスチック製品、ビニール袋など、身の回りにあるものを飲み込んでしまうことがよくあります。拾い食いのクセのある子をケージから出して遊ぶときは、片付けておくことが大切です。 |
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フィラリア症 | 蚊によって媒介される寄生虫です。血液に乗って心臓や血管に寄生し、心臓病を引き起こします。犬用のフィラリア予防薬を使っての予防がおすすめです。 |
インスリノーマ | 加齢とともに増えてくる疾患で、低血糖を頻繁に起こします。寝ている時間が長い、意識が悪い、よだれを垂らすなどの症状があれば、低血糖に陥っている可能性があります。副腎腫瘍が原因のことも多いです。内服治療や食餌療法を行います。 |
モルモット、ハムスター
寿命は短めですが、愛らしい仕草が魅力的で人気があります。比較的おとなしく、集合住宅でも飼育しやすいです。

よくある病気と治療法
ビタミンC欠乏症 | モルモットは体内でビタミンCを作れないため、食餌に気をつけてあげなくてはなりません。食欲がなくなったり、結膜炎を起こしたりします。野菜や果物を与えるか、サプリメントで補充して治療します。 |
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皮膚炎 | ハムスターは皮膚炎を起こしやすいです。脱毛、皮膚をよく掻いているなど皮膚の症状が見られたら、受診してください。細菌性、アレルギー性、ダニなど原因はさまざで、それぞれに合った内服治療や環境調整を行います。 |
鳥類
種類によっては人によく懐き、おしゃべりをすることもあり、とても魅力的な動物です。しっかりと健康管理をしてあげると、比較的長く一緒に過ごすことができます。

よくある病気と治療法
卵詰まり | 初産、過剰産卵、日光浴不足などの場合に発生しやすくなります。うずくまって羽を膨らませ、食欲がないといった状態であれば、すぐに受診してください。卵詰まりが長時間に及んでしまうと、ショックを起こして突然死のリスクがあります。卵が体内で割れないように、慎重に処置します。 |
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ビタミンB1欠乏症(いわゆる脚気) | 栄養が必要な巣立ちの時期(生後1か月ごろ)に発症しやすいです。アワ玉のみで飼育していると、ビタミンB1が不足してしまいます。歩き方に異変が出たり、けいれんしたりといった症状が特徴です。幼若鳥用のペレットを与えて治療します。 |
オウム病 | 人畜共通感染症の1つで、鳥類全般に発生します。感染していても症状が出ない「不顕性感染」がほとんどではありますが、重篤化するケースもあります。元気がない、食欲がない、鼻水が出るといった症状が特徴です。内服治療を行います。 |
爬虫類
トカゲ、ヘビ、カメといった爬虫類も、根強い人気があります。エキゾチック動物の中でも飼育は比較的手がかかります。飼育環境やエサのアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。

トカゲ(ヒョウモントカゲモドキ)によくある病気と治療法
脱皮不全 | うまく脱皮が進まない状態です。脱皮不全の状態が長く続くと、血流が悪化したり炎症を起こしたりするため、手助けしてあげる必要があります。爬虫類全般に生じますが、ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)はとくに多いです。脱皮中のストレス、湿度不足、カルシウムやビタミンD不足などが原因となります。 |
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皮下膿瘍 | 皮膚の下に膿が溜まった状態です。低温環境などでは免疫力が低下し、わずかな傷からも細菌が入り込んで皮下膿瘍となる場合があります。抗菌薬を使った治療や、手術が選択肢となります。コブやしこりのようなものを見つけたら、皮下膿瘍の可能性があるため受診をおすすめします。 |
両生類
幼生と変態後で見た目も生活の仕方も大きく変わるのが、両生類を飼育する魅力の1つです。その分、しっかりと生態を理解してお世話してあげることが欠かせません。院長もウーパールーパーを飼育しています。

ウーパールーパーによくある病気と治療法
水カビ病 | 白っぽい綿のようなものが体の表面についていたら、水カビ病を疑います。水質の悪化があるかもしれませんので、水を換え、水温の調整で回復を待ちます。薬浴が有効な場合もありますが、ウーパールーパーの皮膚はとても敏感なので、慎重に実施しなければなりません。 |
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イモリによくある病気と治療法
乾燥 | 水辺から半日〜数日離れてしまうと、乾燥のしすぎで皮膚呼吸ができなくなり、死んでしまうことがあります。脱走させないように注意することが何よりも大切です。 |
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餌の与えすぎ | 餌を与えすぎると、消化不良や内臓脂肪の蓄積が原因で死んでしまうことがあります。体の大きさにもよりますが、毎日餌を与える必要はありません。 |