武蔵野まりん動物病院ブログ blog

ハムスターの皮膚疾患について 〜よく見られる皮膚トラブルとその原因〜

ハムスターの皮膚疾患について
〜よく見られる皮膚トラブルとその原因〜

目次

1.はじめに

2.よく見られる皮膚疾患の診断と治療
  〇外部寄生虫(ニキビダニなど)
  〇アレルギー性皮膚炎
  〇細菌性皮膚炎

3.まとめ

1.はじめに

皮膚トラブルはハムスターさんによくみられる疾患の一つです。

「痒そうにしている」「毛が抜けてきた」「体にかさぶたができている」
そんな症状を見つけたら、皮膚の病気のサインかもしれません。

今回は、ハムスターさんにみられる皮膚疾患とその原因、治療について獣医師が分かりやすくご説明します。

2.よく見られる皮膚疾患の診断と治療

ハムスターの皮膚疾患はいくつかの原因が考えられますが主なものを3つご紹介します。

〇外部寄生虫(ニキビダニなど)

最もよく見られる原因の一つです。
ニキビダニは元々寄生していることの多い寄生虫で、ゴールデンハムスター、ジャンガリアンハムスターなど様々なハムスターでの感染が認められています。免疫力が低下した際や他の皮膚疾患により皮膚の状態が悪化した際に増殖しやすいと考えられています。症状としては脱毛や痒み、皮膚の赤みなどがみられます。

被毛をテープなどで採取したものを顕微鏡で観察し寄生虫やその虫卵を確認することで診断します。

治療は背中に垂らすタイプの駆虫薬を2-4週間毎に使用することが多いです。

〇アレルギー性皮膚炎

ジャンガリアンハムスターなどの小型ハムスターでは床材などに対するアレルギー性皮膚炎が見られることがあります。木製のチップはアレルギー性皮膚炎を起こしやすいと言われており発症した場合には床材と接する腹部の皮膚を中心に脱毛や痒み、フケなどが見られます。

まずは皮膚検査を行い寄生虫や細菌感染などが無いことを確認します。

飼育環境を確認したうえで床材を刺激性の少ない紙チップなどに変更して症状の改善が見られるかを判断します。必要に応じて抗炎症作用のある飲み薬などを使用します。

〇細菌性皮膚炎

脱毛やかさぶたに伴い皮膚が赤くなったり出血などが見られます。下痢になった場合に糞便が肛門周りに付着することで細菌感染を起こし皮膚炎を発症することもあります。他にも、ケガをした場合に傷口で細菌が増殖することで皮膚トラブルを起こすこともあります。病変部にスライドガラスを押し付けて取れた細菌や細胞を顕微鏡で観察し診断します。必要に応じて抗生物質や抗炎症薬を使用します。

ハムスターさんでは稀ですが真菌感染がみられることもあります。他にも皮膚トラブルの原因となる疾患が疑わしい場合にはその原因疾患の精査も行い必要に応じて治療も同時に行います。

3.まとめ

ハムスターさんの毛繕いの頻度が増えた、痒そうにしている、脱毛、皮膚の赤み、フケなどの症状が見られたら、動物病院で原因を調べましょう。

皮膚トラブルの多くは、早期に適切な治療と環境整備を行うことにより改善が見込める疾患です。ハムスターさんのような体の小さな動物さんは出来る検査や治療が限られてきますが今回挙げた疾患以外の可能性もあるので出来る範囲内でしっかりと検査を行うことが大切です。当院でもハムスターさんの診察・治療を行っております。気になる症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。


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