フェレットのワクチン接種について
1.はじめに
フェレットは日本でも人気のあるエキゾチックアニマルで、人懐っこく遊び好きな性格から犬や猫と同様に家族として迎えられるご家庭も増えています。
そんなフェレットにとっても、ワクチン接種はとても大切な健康管理の一部であり感染症から命を守るために必要な予防手段となります。今回は、フェレットに必要なワクチンやワクチン接種の流れ、注意点について獣医師の視点からご説明します。
2.フェレットに必要なワクチンとは?
フェレットにおいて特に重要なのは、犬ジステンパーウイルスに対するワクチンです。犬ジステンパーウイルスは犬だけでなくフェレットにも感染します。感染力が非常に強く、発熱・くしゃみ・鼻水・結膜炎などの呼吸器症状から始まり、進行するとけいれんや麻痺などの神経症状を引き起こします。致死率は非常に高く、一度発症してしまうと治療は困難です。
そのため、フェレットを飼育するうえでは犬ジステンパーウイルス予防のワクチン接種をオススメします。
一方、日本ではフェレット専用のワクチンは承認されていません。そのため、多くの動物病院では「犬用の混合ワクチン」をフェレットに使用して予防を行っています。病院によって取り扱うワクチンの種類が異なるため、かかりつけの病院に確認することが大切です。
3.ワクチン接種のスケジュール
一般的なワクチン接種スケジュールは以下のようになります。
まず生後6〜8週齢に初回接種を行います。
その後、3〜4週間おきに追加接種を2回(計3回)行い、最終接種日は14週齢以上にします。
1歳以降は1年毎に追加接種を行います。
ただし、販売元やブリーダーですでにワクチンを打っている場合もあります。その場合は接種記録を確認し、かかりつけ医と相談してスケジュールを決めましょう。
4.接種時の注意点と副反応について
ワクチン接種に関して気になる点といえば副反応についてだと思います。ワクチンは感染症予防に有効ですが、他のワクチンと同様に副反応が出る可能性はあります。
副反応の中でよく見られるものとしては接種直後の顔や体の腫れ、嘔吐や下痢、毛の立毛が挙げられ、まれに重度のアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすこともあります。そのため、接種後10-15分程度は病院内で様子見をしその日一日はできるだけ興奮させずにお家で過ごしましょう。
副反応がでた場合にすぐに対応できるように当院では午前中のワクチン接種を推奨しています。
5.まとめ
フェレットの健康を守るために、ワクチン接種も大事な予防手段の一つです。特に犬ジステンパーウイルスは一度発症すると治療が難しく、他のフェレットや犬への感染源となるため予防こそが最も有効な手段です。
大切なフェレットさんを感染症から守るために副反応にも注意しながら、年1回の追加接種を継続することをオススメします。
当院でもフェレットさんの診察を行なっており、ワクチン接種も可能です。ご不安な点があれば、ぜひ当院までご相談ください。
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