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子犬の社会化期とは?〜大切な時期を見逃さないために〜

子犬の社会化期とは?〜大切な時期を見逃さないために〜

1.はじめに

「子犬を迎えたけれど、どう接してあげたらいいのか不安…」
「怖がりな性格にならないように育てたい」

そんな飼い主さんにぜひ知っていただきたいのが “社会化期” という時期です。
社会化期は、子犬が周囲の環境や人間社会に適応するために「社会に順応する力を養う」大切な期間です。将来の性格や行動に大きな影響を与えるため、飼い主さんが正しく理解して過ごすことがとても重要です。

この記事では、子犬の社会化期とは何か、その時期にしてあげたいこと、注意点について詳しく解説します。

2.子犬の社会化期とは?

犬には生まれてから成長するまでに、いくつかの発達段階があります。その中でも 「社会化期」 は特に重要な時期とされています。

期間:生後3週齢〜12週齢(約3か月齢)ごろまで

特徴:新しい経験を受け入れやすい 
   恐怖心が芽生える前なので、物事をポジティブに学びやすい
   犬同士や人間とのコミュニケーションの基礎を作る

犬は経験を通じて生涯社会化を続けますがこの時期に経験したことは、その後の性格や行動パターンに直結します。逆に、経験不足や怖い思いをすると、「吠えやすい」「噛みやすい」「人や犬を怖がる」といった行動につながることもあります。

現在、出生後56日を超えていない子犬の販売は法律で禁止されています。これは早くに母犬と引き離される悪影響が大きいからです。お家に迎え入れた時点からで遅くないので色々な経験をさせるように意識しましょう。

3.社会化期に経験させたいこと

社会化期にどんなことを学ばせるかが、将来の安心した生活につながります。以下のような経験を少しずつ、無理のない範囲で取り入れてあげましょう。

① 人との触れ合い
例)
家族以外の人(大人・子ども・男女)と接する
やさしく撫でてもらう
獣医師やトリマーなど「お世話をしてくれる人」との経験

→ 多様な人と良い体験をすることで、人懐っこく落ち着いた子に育ちやすくなります。

② 犬や他の動物との関わり
例)
兄弟犬や母犬との遊びを通して「咬む力加減」を学ぶ
お家にお迎え後ワクチン接種が進んだら、信頼できる成犬や他の子犬と交流させる

→ 犬同士のルールやボディランゲージを学ぶことは、将来ほかの犬とトラブルなく過ごすために欠かせません。パピーパーティー(子犬の集まり)の参加も良い機会となります。

③ 生活音や環境への慣れ
例)
掃除機、ドライヤー、車の音、チャイムなど日常生活で出会う音
家の中のいろいろな場所(キッチン、廊下、ベランダなど)
外の環境(公園、街中、芝生、アスファルト)

→ 子犬のうちにさまざまな環境音や場所を「怖くない」と学ばせることで、成犬になってからも落ち着いて行動できます。

④ ケアや健康管理に慣れる
例)
足先や耳、口の中をやさしく触られる練習、ハミガキの練習
ブラッシングやシャンプーに少しずつ慣らす
獣医師に診察台で体を触られることに慣らす

→ 将来的な健康チェックやトリミングの際に、大きなストレスを感じにくくなります。

4.社会化期に気をつけたいこと

大切な社会化期ですが、気をつけなければならない点もあります。

① ワクチン接種と外出のバランス
社会化のためには外の世界を経験させることが必要ですが、同時に感染症のリスクにも注意が必要です。動物病院でワクチン接種スケジュールを確認しましょう。ワクチンが完了する前は、抱っこやキャリーで外の環境に慣れさせます。信頼できるお家のわんちゃんや清潔な環境から少しずつ慣らしていきましょう。
ワクチンに関してのブログはこちら
【愛犬の健康を守るために】 犬のワクチン接種、本当に必要?種類・スケジュール・注意点を解説

② 無理強いしない

「慣れさせたい」と思って急に大きな音を聞かせたり、人混みに連れて行ったりすると、逆に恐怖体験になってしまいます。

子犬の様子をよく観察し、怖がったらすぐに引き上げ、少しずつ「できたね」と褒めながら経験を積ませましょう。

③ ポジティブな体験にする

新しい経験をしたときには、ご褒美のおやつや声かけで「楽しかった」と感じさせてあげることが大切です。

5.社会化が不十分だとどうなる?

社会化期に十分な経験をしないまま成長すると、以下のような問題が起こりやすくなります。

・人や犬に対して吠える、攻撃的になる

・知らない音や環境を過度に怖がる

・動物病院やトリミングを極端に嫌がる

・留守番ができない、不安症になる

もちろん成犬になってからでもトレーニングは可能ですが、初めてのものを柔軟に受け入れていくことが難しくなるので子犬の頃に比べて時間と労力が必要になります。

6.まとめ

子犬の社会化期は、生後3週齢〜12週齢ごろという限られた期間です。この短い時間にどんな体験をするかによって、その子の性格や行動が大きく左右されます。

人、犬、環境、音など「多様な経験」を通じて、怖くない・楽しいと学ばせることが大切です。

ワクチン接種のスケジュールとバランスを取りながら、安全に外の世界を経験させてあげましょう。社会化期を上手に過ごすことで、子犬は人や環境に順応しやすく、将来も安心して暮らせるようになります。逆に、この時期に経験が不足すると、怖がりになったり攻撃的になったりと、問題行動につながることがあるので多くの経験をさせてあげることが理想です。

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