フェレットのリンパ腫とは?〜症状・診断・治療について〜
1.はじめに
フェレットは活発で愛らしいペットですが、犬や猫と同じように様々な病気にかかることがあります。
その中でも「リンパ腫」は比較的よく見られる腫瘍性疾患の一つです。
リンパ腫は早期発見が難しい場合もありますが、飼い主さんが日常の変化に気付くことで早期対応できることがあります。
今回は、フェレットのリンパ腫について原因や症状、診断、治療法をわかりやすく解説します。

2.リンパ腫とは?
リンパ腫は、リンパ球という免疫細胞ががん化して、リンパ節や全身の臓器に腫瘍ができる病気です。
リンパ系は体中に広がっているため、腫瘍は全身のどこにでも発生する可能性があります。フェレットではウイルスや細菌感染症、ストレス、早期の不妊手術による性ホルモン失調などが関与している可能性が示唆されています。
若い年齢でも発症することがあり、進行が早いタイプからゆっくり進行するタイプまで様々です。
3.主な症状
リンパ腫の症状は発生部位やグレードによって異なりますが、代表的なものは以下の通りです。
・首や脇、膝の後ろなどのリンパ節が腫れている
・元気・食欲の低下、体重減少
・呼吸が荒くなる(胸の中に腫瘍ができた場合)
・下痢や嘔吐(消化管に腫瘍ができた場合)
・貧血、黄疸、後ろ足のふらつき
特に初期では目立った症状が出ないことも多く、定期的な健康チェックが重要です。
4.診断・治療
<診断>
動物病院では、以下のような検査を組み合わせて他の病気の見落としが無いように診断します。
・身体検査
触診でリンパ節の腫れや腹部のしこりを確認します。
・血液検査
貧血や炎症、臓器のダメージなどを確認します。
・レントゲン検査・超音波検査
胸やお腹の腫瘍の広がりを確認します。
・細胞診
細い針でリンパ節や腫瘍から細胞を採取し、顕微鏡で観察します。
<治療>
フェレットのリンパ腫は完治が難しい病気ですが、症状を抑え、生活の質(QOL)を保つことを目標に治療を行います。
・化学療法(抗がん剤)
複数の薬を組み合わせて腫瘍の進行を遅らせます。
効果には個体差があるので投与量や間隔を調整します。
・ステロイド療法
腫瘍を小さくし症状を和らげられる可能性があります。
・外科手術
腫瘍が限局している場合に切除することがあります。
・支持療法
栄養管理、免疫力のサポート、痛みや不快感の軽減などを行います。
5.まとめ
フェレットのリンパ腫は、早期に見つけることで治療の選択肢が広がり、より快適な生活を送れる可能性があります。定期的に健康診断を行ったり体重測定をすることも早期発見に繋がります。
「何となく元気がない」「体重が減ってきた」など、気になることがあれば早めに動物病院に相談しましょう。
当院でも随時健康診断などを受け付けています。
お気軽にご相談ください。
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