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セキセイインコの卵管閉塞(卵詰まり) 〜症状・原因・治療について〜

セキセイインコの卵管閉塞(卵詰まり)
〜症状・原因・治療について〜

1.はじめに

セキセイインコは飼いやすく、愛らしいペットとして人気がありますが、雌のセキセイインコは繁殖期になると卵管閉塞(卵詰まり)という危険な病気が起こることがあります。人に慣れたセキセイインコは人やおもちゃを繁殖相手として認識し、発情した結果雄がいなくても無精卵を産むことがあります。その発情が長期化、慢性化することにより卵管閉塞は季節を問わず頻発する疾患です。
卵管閉塞は、卵が正常に産卵されずに体内で停滞してしまう状態で、命に関わることもあります。

本記事では、症状や原因、治療法について獣医師がわかりやすく解説します。

2.卵管閉塞とは?

卵管閉塞は、雌の鳥の卵管に卵が詰まってしまう状態で特に排卵後24時間以上経過しても産卵されない状態を指します。
通常、卵は卵管を通って産卵され一回の繁殖期で4-7個程度の卵を一日おきに産卵します。しかし栄養不良、骨格の問題、感染症、卵の形状異常などが原因で通過できなくなることがあります。

放置すると卵が体内で破裂したり、感染症(卵管炎や腹膜炎)を引き起こし、緊急手術が必要になることもあります。

3.主な原因と症状

<原因>

卵管閉塞にはさまざまな原因があります。

過剰な産卵:若齢または繁殖期に卵を続けて産むことによる疲労
カルシウム不足:卵殻形成に必要なカルシウムが不足すると卵が硬くならず詰まりやすくなる
肥満や体型の問題:腹部脂肪が多いと卵管の通過が妨げられる
卵の形状異常:卵が大きすぎたり、形が異常な場合に通過出来なくなる
卵管感染:炎症により卵管が腫れ卵が通過できない

<症状>

卵管閉塞では以下の症状が見られることがあります。

  • 産卵しようとするが出ない、または産卵の仕草を繰り返す
  • ・腹部が膨らんでいる
  • ・食欲不振、元気がない
  • ・呼吸が荒い、尾羽を下げている
  • ・排泄の異常(白色便が多い、排便が少ない)

特に初産での発生率が高く発情の強い若齢期に発生が多くみられます。

4.診断と治療

<診断>

まずは視診と触診を行い腹部の腫れや卵の位置を確認します。状態が悪い子の場合触診による負担から亡くなってしまう場合もあるため慎重に行います。

状態をみながらレントゲン検査も行い卵の形状の確認も行います。

<治療>

緊急処置:体内の卵を排出させるため手を使って卵を押して強制的に排出させる方法です。

外科手術:上記の圧迫排出処置が出来ないと判断した場合は外科的摘出を行うことがあります。

カルシウムの投与:体力や状態に余裕があり、低カルシウム血症が疑われる場合はカルシウムの投与を行うこともあります。

5.まとめ

卵管閉塞はセキセイインコの雌でよく見られる病気で、命に関わることもあるため注意が必要です。主な原因はカルシウム不足であるためペレットを与えましょう。シードの場合はカルシウム剤の添加をしてください。

また発情をさせないことが産卵の抑制になります。

・日照時間を10時間程度にすること

・発情対象になったおもちゃは取り除く

・撫でるなどのスキンシップは控えめにする

・体重管理

などで発情を抑えることが出来ます。


それでも100%予防することは難しいので飼い主さんが日頃から体調の変化を観察し、異常を感じたらすぐに動物病院に相談してください。

当院でもセキセイインコさんの診察を行っています。飼育方法などの些細なご相談もお気軽にお越しください。


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