デグーの尻尾は引っ張らないで!デグーの尾抜けについて~原因・症状・治療・予防~
〜原因・症状・治療・予防〜
1.はじめに
デグーの飼育において注意しなければならない病気やトラブルがいくつか存在しますがそのひとつが 「尾抜け」 と呼ばれる現象です。
尾抜けはデグーに特徴的な現象であり、誤った扱い方や事故が原因で発生します。尾抜けを起こしてしまうと自然に元通りになることはなく、場合によっては切断が必要になることもあります。今回は、デグーの尾抜けについて詳しく解説します。
本投稿は尾抜けした尻尾の症例写真を表示しています。血液や刺激的な写真が苦手な方は閲覧をお控えください。
2.尾抜けとは?
尾抜けとは、デグーの尾を強くつかんだり引っ張ったりした際に、尾の皮膚や被毛がズルリと抜け落ち、筋肉や骨が露出する状態を指します。
これは、野生下で天敵に捕まったときに尾を犠牲にして逃げるための「防御反応」とも考えられています。しかし、飼育下では不適切な抱き方や事故によって生じることが多く、デグーにとって大きなストレスや痛みを伴います。

3.原因
デグーの尾抜けは、以下のような原因で起こります。
〇誤った抱き方、捕まえ方
デグーを捕まえる際に、尾をつかんで持ち上げたり、尾を引っ張って捕まえようとすることで発生します。
〇ケージや器具への引っかかり
ケージの隙間やおもちゃに尾が挟まり、無理に抜けた際に尾抜けを起こすことがあります。
4.症状
尾抜けが起こると、以下のような状態が見られます。
尾の皮膚がむけ、骨や筋肉が露出する
出血や痛みを伴う
皮膚が失われた部分は壊死し、自然に再生することはない
感染を起こすと膿や腫れが生じる
5.治療
尾抜けが起きてしまった場合、細菌感染をおこす危険性があるので抗生物質による治療が必要です。その後1-2週間で乾燥し、自然にとれたり、自分で齧り取ってしまう場合があります。
感染して膿んでしまったり気にして噛んでしまう場合には麻酔下で断尾の処置が必要な場合もあります。これにより傷口を清潔に閉鎖し、感染を防ぎます。
6.まとめ
デグーの尾抜けは、普段から気を付けていてもちょっとした不注意で起きてしまうことがあります。しかし、一度尾抜けを起こすと元通りにはならず、断尾手術が必要になることもあるトラブルです。
・デグーを持ち上げるときは両手で体を包み込むように抱き上げる
・尾をつかんで持ち上げない
・ケージや遊具に尾が挟まらないよう、安全性を確認する
などを日常から意識していきましょう。
デグーさんの他の疾患についてはこちらをご参照ください。
→デグーに多い不正咬合とは~原因や治療法に関して~
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